債務整理を弁護士に依頼すると督促が止まる。メリットとリスクとは

代表弁護士 佐々木 一夫 (ささき かずお)

借金の返済が期日までにできずに延滞が続くと、連日のように携帯や職場にまで督促の電話が鳴り、精神的に追い詰められた状態に陥ることも。

このような状況を放置して借金問題がこじれてしまう前に、弁護士に債務整理を相談してみましょう。弁護士に債務整理を依頼すると、すぐに貸金業者(債権者)からの請求や督促を止めることができるのです。
借金の取り立ての苦痛から解放されて落ち着いた状態で、借金返済と経済生活の立て直しをしていくことができます。
督促を止めることができる仕組みや、督促を止めるメリットやリスクについても解説していきます。

督促が止まる仕組み

「受任通知」で督促が止まる

「任意整理」「個人再生」「自己破産」といった債務整理の手続きを弁護士に依頼すると、
弁護士はすぐに各貸金業者(債権者)へ「受任通知」を発送します。
受任通知は、弁護士が債務者(依頼人)の「代理人」となり、債務整理の手続きを開始することを告知する書類です。
通知を受け取った貸金業者は、債務者へ直接の請求や督促をすることは一切できなくなり、請求書の郵送や督促の電話はピタリと止まります。

受任通知の法的な効力

すべての業者からの督促を止められる受任通知の強い効力の理由は、「貸金業法」という法律で定められているためです。この法律に従わずに、受任通知を受け取ったあとに債務者に取り立てをした場合は、業務停止や貸金業登録の取り消しなどの行政処分を受ける可能性があるため、通常の貸金業者であれば手が出せないのです。

受任通知の効力が使えないケースもある

注意が必要なのは、法的効力のある受任通知が通用しないケースがあるということです。
受任通知を送付する前に、貸金業者が裁判所に訴訟を提起した場合、受任通知といえども、訴訟の撤回や裁判を止める効力はありません。

裁判になり判決が確定すると、強制執行で資産や給与を差し押さえられてしまうため、裁判に持ち込まれることがないよう、借金問題は早めに対策していくことが重要です。

受任通知を送付するメリット

借金の返済も止まる

受任通知を送付すると、貸金業者の督促が止まると同時に、月々の借金返済も止まります。
弁護士は受任通知で債務者の支払不能を知らせるのと同時に、貸金業者に借金の取引履歴の公開を請求します。
過去の取引履歴に基づいて、正確な借金額や過払い金の有無を調査します。そのうえで、どの債務整理の方法が最善か判断するわけです。
受任通知の送付から債務整理の手続きが終了するまでは、借金の返済は中断されることになります。期間は概ね3ヶ月~6ヶ月が一般的でしょう。この間に、各種の手続きへ向けた準備をすることになります。

受任通知後のリスク

ブラックリストに載る

受任通知を受け取った貸金業者は、「個人信用情報機関」へ金融事故情報として報告し、事故情報履歴が登録されます。俗にブラックリストと呼ばれています。
個人信用情報機関では、個人の金融取引に関する情報をすべて管理していて、ローン会社やクレジットカード会社は、この機関の情報を照会して審査をします。
つまり、事故情報が登録されている間は、新規の借り入れ、クレジットカードを作るといったことができなくなります。事故情報の登録期間は、5年~10年です。

銀行口座が凍結される

銀行または銀行系列のクレジット会社から借り入れしている場合、受任通知を送付すると、対象となる銀行口座が凍結される可能性があります。もし、口座に預金残高がある場合は、借金の返済に充てられます。少しでも多く、借金の回収をすることが銀行の目的です。

口座を凍結されてしまうと、口座からの引き出しや引き落としもできなくなるため、受任通知の発送前に、口座にあるお金を引き出しておきましょう。給与の振り込み口座にしている場合、給与も全額返済に充てられてしまうので、事前に振込口座の変更をしておく必要があります。

保証人が借金返済責任を求められる

受任通知を受け取った貸金業者は、債務者は借金の返済ができないと見なし、貸したお金を回収するため、保証人や連帯保証人に一括返済請求を求めます。
保証人に迷惑をかけずに債務整理をするには、保証人の付いた借金は除外して、ほかの借金だけ整理できる「任意整理」を選択するといいでしょう。

  • 弁護士が受任通知を送付すると督促と返済が止まる。
  • 受任通知は法的な効力がある。
  • 受任通知でも裁判は止められない
  • 受任通知送付後に事故情報が登録される。
  • 銀行口座が凍結される場合もある。
  • 保証人に一括返済請求がいく可能性がある。

借金問題で一番辛いのが、貸金業者からの頻繁な取り立てでしょう。
この状態を続けていれば、債務者本人の精神的負担が大きくなるだけです。
また、債権者である貸金業者に、マイナスイメージが定着します。
一刻も早く、法的な解決に踏み出し、督促の重圧から解放されることをおすすめします。
まずは、弁護士の無料相談などを利用してみましょう。

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